ニライカナイ
Cubaris sp. "Niraikanai"
鈍く輝く漆黒の甲殻。光の加減で日本刀の刃文が如く浮き上がる優美な虎紋。尾部の赤の差し色とあいまった大変美しい国内種です。
宮古島のごく限られた場所に限定的に生息し、某ダンゴムシの本では『コクヨウコシビロダンゴムシ』と紹介されました。
前記しましたが採集地は非常に限られています。
いつ姿を消してしも不思議ではないと危機を感じている貴重なダンゴムシです。
そこで本日は1人でも多くの方に飼育され、仮に野生絶滅となった後も飼育個体が維持される事を願い、飼育法を書き残すことにしました。
はじめに
まず本種を飼育してみた所見ですが、石灰岩を入れてサンゴ砂でも撒いておけば、用土の基質は何でも良さそうです。
温度は通年24〜28℃の範囲でザックリと管理しています。
湿度についてもそれほどシビアな印象はありません。
成熟は早く、比較的小さなうちから抱卵もするので環境に馴染めば容易に殖えます。
ここまで書くと飼育しやすいダンゴムシにみえますが、残念ながら一癖ありまして通気性や水捌けが悪くて、いつまでもジメジメと蒸した環境に非常に弱い一面があります。
加水しすぎて蒸れるとバタバタと数を減らしますので通気性が重要です。
蒸れるよりは大胆に大きな通気口を設けた方が失敗しないです。そして通気口に合わせた保水材の選定と加水の感覚を覚えることがポイントです。
飼育のコツ
通気性の確保と、ビチャビチャにさせない加水の加減です。レイアウトもその事を念頭にセッティングします。
具体的にはゴロゴロとした大粒のヤシガラや石灰岩の砕石などを使って凹凸に富むレイアウトをつくります。
樹皮などのシェルターも平面に置くのではなく、角度をつけて立てかけるように設置します。
ちょっとした工夫で通気性や水捌けを長く維持することができます。
ただし、これらの工夫をしても飼育数によりますが1〜2ヶ月ほどで隠れ家の下には糞が積もります。
トビムシなどの無害でも小虫が増えだしたら注意してください。経験則ですが本種の飼育では掃除のタイミングを図る指標にしています。
メンテナンス
リセットして7日後には御覧のとおり、すでに糞が積もってます。結露しやすい場所では残念ながら死んだ個体も見受けられたので、温室内での場所を移動しました。
ちなみにsoil飼育であれば、用土をふるいにかければ容易に糞を分れますので管理が楽です。
幼体がやや小さくて素早く拾いずらいので、腐葉土飼育の場合は苦労しそうです。まめに掃除することが、調子良く増やすコツになります。
以上長々となりましたが飼育法の紹介です。
非常に貴重なダンゴムシですが、当サイトで紹介のsoil飼育との相性がよく、順調に累代を重ねてますので、機会ありましたら是非飼育に挑戦してみて下さい(^^)
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